更新情報:
- 2025.04.01
- News 2025.04.01 2025年2月に瑞雲舎から『ライオン』が出版されました。 お近くの図書館でリクエスト予約して、読んでみてください。 『ライオン』 文・絵 ウィリアム・ペーン・デュボア 訳 まさき るりこ 発行所 株式会社 瑞雲舎
<7月のおすすめの本>
ふしぎの国のアリス
『ふしぎの国のアリス』
ルイス・キャロル作
生野幸吉訳
ジョン・テニエル画
福音館書店
うさぎ穴を落ちてゆくと
アリスは川の堤の上でお姉さんのそばに坐ったまま、何もすることがないので、とても退屈になってきました。お姉さんの読んでいる本を、一度、二度のぞいてみましたが、その本には挿絵も会話もありません。「これじゃ、なんのための本かしら」とアリスは思いました。「絵もなければ会話もないなんて?」
…
そのとき、にわかにピンクの目をした白いウサギがアリスのすぐそばを走ってゆきました。
…
つぎの瞬間にはウサギにつづいてアリスも穴にとびこみ、いったいどうやれば穴から外へもどれるだろうかなどとは、ぜんぜん考えてもみませんでした。
『ふしぎの国のアリス』を大急ぎでざっと目を通して読むと、へんな出来事がたくさんあったという印象しか残らない。しかし、ゆっくりと注意を集中して、この本を読み、作者がどこにつれていこうと、しっかりとついていった場合は、この本の中に多くの喜びを発見することができる。挿絵も楽しい。
<7月の詩>
幼い子の文学
「アドレストロープ」エドワード・トマス
そうとも、憶えているよ、アドレストロープは。
ある暑い午後、急行列車が
不時停車したとこだ
六月の末の頃さ。
蒸気の音がした。だれかが咳払いした。
だれも降りず、だれも乗らず、
プラットホームはがらんとして
アドレストロープという駅名だけが見えた。
そして柳の木むれと柳草、下草、
しもつけ草と干し草の山があって、
ただ、森閑と、さびしく晴れわたり、
空には高い浮雲があるばかり。
すると、おりしもつぐみが一羽鳴いた。すぐそばで。
そしてそのまわりに、ずっとぼんやりだが
遠く遠く、あらゆる鳥が鳴いたんだ
それこそオックスフォード州とグロスター州じゅうの鳥が。
『幼い子の文学』
瀬田貞二著
中公新書
<7月の俳句>
ノビタキ 霧ヶ峰 Photo by WAKO
トラノオ Photo by Maki
七夕や 祈りの言葉 多すぎて
井伊恒子
井伊恒子